2026年6月24日(日本時間25日) ツインズ 3 - 4 ドジャース(ミネアポリス/ターゲット・フィールド)
異次元の164キロと「パパ初登板」で見せた不屈の粘り!大谷翔平が魅せた極上の二刀流ショー
- 投手成績: 6回 89球 5安打 3失点(自責2) 8奪三振 2四球(今季8勝2敗、防御率1.58)
- 打者成績: 5打数 2安打 1打点 0本塁打 0四球 2三振(打率.295)
喜びと心配が交錯する中で上がったメモリアルなマウンド
この日のマウンドは、大谷翔平にとって特別な意味を持っていました。6月20日に第2子となる男の子が無事に誕生したことを発表して以来、初めての先発登板だったからです。試合後の取材では「いやもう、かわいいですね。ただ、すぐに遠征に来ないといけなかったので、心配な部分の方が多いです」と、父親としての素直な笑顔を覗かせました。
昨年4月に生まれた長女に続く第2子の誕生で、理想的な一男一女の父親となった大谷。左膝の炎症や右手中指のマメといった体調面の不安を抱えながらも、「シーズンをやっていれば、必ずしも常に万全に投げられるわけではない」と言い訳を一切せず、チームの勝利だけを見据えてターゲット・フィールドのプレートを踏みました。
メジャー自己最速タイ163.7キロの衝撃と、急造バッテリーの試練
試合の序盤、大谷の右腕は素晴らしい唸りを上げていました。ストレートの平均球速は99.8マイル(約160.6キロ)を記録し、100マイル(約160.9キロ)を超える剛速球を16球も投げ込む圧倒的な立ち上がりを見せます。しかし、正捕手のウィル・スミスが首の違和感で離脱しているため、この日の相棒は25歳の若手、ダルトン・ラッシングでした。この急造バッテリーの経験不足が、2回に大きな波乱を巻き起こします。
1点リードの2回裏、大谷は3本の単打を浴びて1死満塁の窮地に立たされます。9番のクライドラーを迎えた初球、大谷が投じた内角への力強いストレートは、メジャー自己最速タイとなる101.7マイル(約163.7キロ)を計測しました。しかし、このボールを捕手のラッシングが大きくはじいてしまいます。ボールが転々とする間に三塁走者が生還し、同点とされる痛恨の捕逸(パスボール)となりました。
地元テレビ局の解説者であるドジャースOBのエリック・キャロス氏が「試合の立ち上がりにも同じ光景があった。歯車が噛み合っていない」と苦言を呈し、放送席に12秒間の沈黙が流れるほどの重苦しい空気が漂います。大谷もマウンド上で珍しく憮然とした表情を浮かべ、バッテリー間の意思疎通の難しさが浮き彫りになりました。
サインミスの真相と、マウンド上での「拒否」が招いた緊張感
この失点に繋がりかねないミスについて、大谷は試合後に冷静に振り返っています。「変化球と真っすぐのサインがどっちも出ていた。僕は最後(2度目)に出た球種だろうなと思ってチョイスしたけれど、ラッシングは最初のオフスピード(変化球)のサインが来ると思っていたのだと思う」と語り、ピッチコム(電子サイン伝達機器)の操作や確認における純粋なサインミスであったことを明かしました。
さらにこの回、1死二、三塁の場面では、カウント1ボール1ストライクからの投球がボールと判定された際、大谷がベンチへABS(自動ボールストライク判定)のチャレンジを要求しようとする仕草を見せました。しかし、捕手のラッシングは「少し球が低かった」と感じたのか、チャレンジの要求を頑なに拒否するような態度を取り、バッテリー間で意見が対立。結果的にチャレンジは行われず、その後に逆転の2点適時打を許して1-3とリードを奪われる結果になりました。
精神的な動揺が心配されるシチュエーションでしたが、大谷のメンタルは揺らぎませんでした。打席への影響を聞かれると「全く関係ない」と一蹴。その言葉通り、続く3回裏の守備では、ツインズの2番バクストンから始まる上位打線を圧巻の3者連続三振に仕留め、怒りをエネルギーに変えるかのような気迫のピッチングで味方の反撃を待ちました。
自らのバットで逆転劇の口火を切り、クオリティースタートを達成
1点を追う3回表の第2打席、大谷は打者としても見事な仕事を果たします。ランナーを置いた場面で、相手投手のボールを完璧に捉えてセンター前へと弾き返す適時打を放ちました。打球速度110.7マイル(約178.2キロ)の猛烈なライナーを放った第1打席に続き、自らのバットで反撃の狼煙を上げたのです。この一打をきっかけにドジャース打線がつながり、一気に3点を奪って4-3と再逆転に成功しました。
リードをもらった大谷は、4回裏に2死二、三塁のピンチを背負うも、クライドラーを遊ゴロに仕留めて力強くガッツポーズ。5回、6回はツインズ打線を完璧に3者凡退に抑え込み、先発投手としての最低限の責任であるクオリティースタート(6回以上、自責3以下)をしっかりとクリアしました。
確信歩きを覆された七回のABSチャレンジ
投球を終えてDHに専念した7回表の第4打席では、今シーズンのメジャーを象徴するような珍しいシーンが起きました。カウント3-1から迎えた5球目の内角シンカーに対し、大谷はボールと確信して歩き出そうとしましたが、判定はストライク。ここで大谷自身がABSチャレンジを要求したものの、判定は覆らずフルカウントとなります。
そして運命の6球目、外角低めのストレートを見送った大谷は、今度こそ四球を確信して一塁へと歩き出しました。しかし、今度はツインズのバッテリー側がすかさずABSチャレンジを要求。グラフィックが映し出したボールは、わずかにストライクゾーンの低めギリギリを通過しており、判定は一転して見逃し三振へと覆ってしまいました。この判定には大谷も苦笑いを浮かべるしかありませんでしたが、投打にわたって最新テクノロジーの洗練された洗礼を浴びる、非常に見応えのある打席となりました。
試合後、猛省した25歳のラッシングは「本当に恥ずかしい。僕のミスで試合を台無しにしてしまった」と大谷に懺悔の言葉を伝えたそうです。
しかし大谷は、若き捕手のミスを責めることなく、しっかりとコミュニケーションを取って次のステップへと視線を向けていました。
ムーキー・ベッツが通算300号の金字塔!ドジャースが誇る最強打線がもぎ取った同一カード3連勝の軌跡
- ベッツ: 2回に先制の今季9号ソロ本塁打を放ち、メジャー通算300本塁打を達成
- マンシー: 3回に同点適時打と、勝ち越しとなる犠牲フライを放ち2打点の活躍
- 救援陣: 7回以降を無失点で繋ぎ、1点差の緊迫したゲームを見事に逃げ切る
スーパースターの貫禄!ベッツが放った通算300号のメモリアルアーチ
試合が動いたのは2回表でした。ドジャースの2番に座るムーキー・ベッツが、ツインズ先発投手の甘いボールを完璧に捉え、レフトスタンドへと飛び込む今季9号のソロ本塁打を放ちます。これがベッツにとって、メジャーリーグ通算300本塁打という偉大なマイルストーンに到達するメモリアルアーチとなりました。
メジャーリーグの歴史の中で169人目となる、13年目での大偉業達成です。チームメイトの大谷翔平も通算300本塁打まで残り「3」と迫っていますが、一足先に大記録へ到達した形となりました。試合後、ベッツは現地中継局のインタビューに対し、「特別なことだと思う。長くここにいるけれど、ある領域まで到達した実感がある。これからもチームの勝利に貢献したい」と謙虚に喜びを語りました。
さらに、先発登板して苦しみながらも立て直した相棒の大谷に対し、「彼は序盤に苦戦していたけれど、見事に修正した。大谷はすでに世界最高の選手だけれど、一度エンジンがかかるとさらに手が付けられなくなる。そうなったら、僕たちはベンチに座って、ただ素晴らしいショーを楽しめばいいだけさ」と満面の笑みで称賛を送り、チームの絆の深さを感じさせました。
集中打で一気に逆転!マンシーの勝負強さが光った3回の攻防
2回裏にバッテリーミスなどが絡んで1-3と逆転を許したドジャースでしたが、直後の3回表に自慢の強力打線がすぐさま牙をむきます。先頭打者が放ったヒットを足がかりにチャンスを作ると、1番・大谷翔平のセンター前へのタイムリーヒットで1点差に詰め寄ります。
なおも続く好機で、打席に入ったのは主砲のマックス・マンシーでした。マンシーは相手投手の変化球をきれいに弾き返し、同点となる適時打を記録。大谷が快足を飛ばして同点のホームを踏むと、なおも続いたチャンスでマンシーはきっちりとセンターへ犠牲フライを打ち上げ、この回一挙3点を奪って4-3と試合をひっくり返しました。効率的な攻撃と勝負強さが光り、一気に試合の主導権を奪い返したシーンでした。
シーズン折り返しを最高の形で飾る貯金23!首位独走でパドレス戦へ
4-3とリードした7回以降は、ドジャースの誇る強固なブルペン陣が本領を発揮します。大谷からマウンドを引き継いだ救援投手たちは、ツインズの強力な打線を相手にスコアボードに「0」を並べ続けました。ランナーを背負いながらも、要所を締める圧巻のリレーで1点差のリードを死守し、最後は守護神がゲームを締めくくりました。
この勝利により、ドジャースは敵地でのツインズ戦で同一カード3連勝を飾りました。チームはこの日でレギュラーシーズン全162試合のちょうど半分にあたる「81試合」を消化。52勝29敗、貯金23という圧倒的な成績で、ナ・リーグ西地区の首位を完全に独走した状態でシーズンを折り返すことになりました。
チームは1日の移動日を挟み、26日(日本時間27日)からは同じ西地区のライバルであるパドレスとの敵地3連戦に挑みます。パパとなってさらに凄みを増した大谷翔平の二刀流の活躍と、ベッツ、マンシーらを中心とした最強ドジャース打線が、後半戦でどのようなドラマを見せてくれるのか、今後も目が離せません。

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