試合日時と試合結果
2025年7月30日(現地時間
グレート・アメリカン・ボール・パークにて行われたシンシナティ・レッズ対ロサンゼルス・ドジャース
5-2でレッズが勝利した。
酷暑の中で苦悩したマウンド、初回から違和感も豪速球を投げた大谷
【投手として】
- 3回1/3、被安打5、与四球2、奪三振4、失点2
- 総投球数:51球(ストライク32球)
- 平均球速98.7mph(約158.8km/h)、最速101マイル(162.5km/h)近くを記録
- 第4回、股関節の痙攣により緊急降板
【打者として】
- 指名打者(DH)として試合には出場継続
- 5打数無安打、1三振(6回に見逃し三振)
- 痙攣と酷暑に翻弄されたマウンド
この日、大谷翔平は気温32℃・湿度70%超という極端な気候の中で先発マウンドに立った。1回裏からテンポ良く三振を奪い、2回には自己最速に迫る99mph超の速球を織り交ぜるなど、序盤は制球力と球威の両立が光った。
しかし2回以降、徐々に右股関節の違和感が表面化。大谷本人によれば「第1回からクランプ気味だった」とされ、第3回を終えても表情には苦悶がにじんでいた。迎えた第4回裏、6連続ボールに加えて2球のワイルドピッチを記録した時点で異常を感じた首脳陣がマウンドへ。トレーナーと相談の末、自ら交代を申し出る形となった。
降板の原因は「右股関節の痙攣」と発表され、トレーナーによるアイシング処置後も重症ではないと判断された。
異変は初回から感じていてその後は騙し騙し投げていたけど最後もう無理だったというようです。
指名打者として強行出場、しかし結果は出ず
マウンドを降りた後、大谷はそのまま指名打者として打席に立ち続けた。6回に迎えた打席では見逃し三振を喫し、その後も快音は聞かれなかった。結局この日は5打数ノーヒットと、痙攣によるコンディション不良が打撃にも影響を及ぼしたことは否めない。
フリーマンの先制2ランも実らず、リリーフ崩れて逆転負け
この日の試合は、先発・大谷翔平の右股関節の痙攣による緊急降板というアクシデントに加え、中盤以降のリリーフ陣が誤算となり、ドジャースは先制点を守れず敗戦を喫する展開となった。
試合の幕を開けたのはドジャースの主砲、フレディ・フリーマン。第4回表、レッズ先発ニック・マルティネスからライトスタンドへ11号2ラン本塁打を放ち、ドジャースが2点を先制する。これがこの試合におけるドジャース唯一の得点だった。
しかし直後の第4回裏、大谷の状態が悪化。連続四球と2球のワイルドピッチを与えた場面で、トレーナーとともにマウンドを降りることとなる。代わって登板したアレックス・ベシアはすぐにタイムリーを許し、レッズが2–2の同点に追いついた。
同点のまま迎えた第6回、ドジャースは再びベシアが連打を許し、ピンチを招くと、続くベン・ハーニングが押し出し四球を与えて逆転を許す。第8回にはTJ・フリードルの2点タイムリーが飛び出し、レッズが5–2とリードを広げた。
打線はフリーマンの本塁打以降、沈黙。特に後半のチャンスではあと一本が出ず、9回表も三者凡退に終わり、反撃の機会を逃した。
大谷の緊急降板が試合の分水嶺に
この試合の最大の転機は、やはり大谷翔平の降板だった。3回まで被安打4ながらも2奪三振、無失点と試合を作っていたが、第4回の症状悪化で予定よりも早くマウンドを降りざるを得なかった。
チームはその後、リリーフ陣を注ぎ込む形で対応したが、5人が登板し4失点と継投が機能せず、また打線も好機を活かせなかったことで逆転を許し、そのまま押し切られた。
一方レッズは、先発マルティネスが4回2失点で役目を終えたあと、6人の継投でドジャース打線を封じ込めた。特にセットアップとクローザーの働きが光り、試合の主導権を確実に引き寄せた。
試合後の注目点と今後の展望
大谷については「右股関節の痙攣」との診断で、筋肉疲労由来と見られている。本人も試合後に「次回登板には問題ないと思う」と話しており、8月6日のカージナルス戦での登板は予定どおり行われる見込みだ。
また、今季のドジャースはブルペンの消耗が続いており、今後の中継ぎ再編とコンディション管理が課題となる。フリーマンの一撃に象徴されるように、打線は破壊力を持っているだけに、投手陣の立て直しが急務だ。
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