ニューヨークの夜、タキシードに身を包んだ大谷翔平選手が、再び全米の視線を釘付けにしました。史上初となる3度目の満票MVP受賞。その栄誉ある舞台で見せたのは、通訳なしで語られた家族への深い愛と、次代の怪物との予期せぬ共演でした。
歴史的一夜の舞台裏:2026年BBWAA夕食会 概要
- 開催日時:2026年1月24日(日本時間25日)
- 場所:ニューヨーク・ヒルトン・ミッドタウン
- 主な出席者:大谷翔平(ナ・リーグMVP)、アーロン・ジャッジ(ア・リーグMVP)、ポール・スキーンズ(ナ・リーグ新人王&サイ・ヤング賞)、デーブ・ロバーツ監督、真美子夫人
「私の人生を完全なものにしてくれた」家族へ捧げた異例の英語スピーチ
大谷選手はこの日、壇上で約2分半にわたるスピーチをすべて英語で披露しました。その内容は、自身の記録よりも、周囲のサポートへの感謝に溢れたものでした。
【大谷翔平選手のスピーチ要点まとめ】
- BBWAAへの敬意:101回目を迎えた歴史あるイベントへの祝辞と、投票した記者への感謝。
- 世界一の自負:1986年のメッツ優勝メンバーを前に、「世界チャンピオンの気持ちが今ならよくわかる」とワールドシリーズ制覇を引用したジョークで会場を沸かせる。
- 球団スタッフへの配慮:オーナーやGMだけでなく、警備員のアル・ガルシアさんの名前を挙げて感謝を表明。
- 最愛の家族へ:日本にいる家族、真美子夫人、娘、そして愛犬デコピンへの感動的なメッセージ。
スピーチ全文和訳
BBWAAの皆さん、今回も素晴らしいイベントを開催していただき、いつも温かく迎え入れてくださって本当にありがとうございます。
101回目の年次ディナー、おめでとうございます。そして、私に投票してくださったすべての記者の方々、本当にありがとうございます。このMVP賞は私にとってとても意味のあるもので、この賞を受賞できたことが本当に嬉しいです。
このナ・リーグMVP賞を獲得するために費やした努力とハードワークを認めてくださった、すべての記者の方々に心から感謝しています。
同じ受賞者の皆さん、おめでとうございます。特に1986年のメッツの皆さん——私も今、世界チャンピオンになる気持ちがよくわかります。本当に素晴らしいことです。40周年おめでとうございます。
ドジャース球団の皆さん、私を支えてくれて、私のビジョンを全面的に受け入れてくれてありがとうございます。
今夜来てくださっているオーナーのマーク・ウォルターさん、そしてオーナーグループの皆さん。フロントオフィスの皆さん、特にアンドリュー・フリードマンさんとブランドン・ゴームズさんも今夜来てくれています。チームメイトとコーチングスタッフの皆さん、この1年間ずっと助けてくれて、励ましてくれてありがとう。毎日皆さんのサポートを感じていました。
裏方で支えてくれているドジャースのスタッフの皆さん、特にアル・ガルシアさん、本当に一生懸命働いてくれてありがとう。皆さんに心から感謝しています。
私のサポートチームのみなさん、まず私のエージェントのネズ・バレロさん——いつもありがとう。そして今夜来てくれている奥さんのリズさんも。
CAAの皆さん、特にマット・ヒダカさん、ジュリア、ワイアット、アンヤ、カーリー、そしてチームの皆さん、本当にありがとう。
最後に、日本にいる家族、そして何より愛する妻の真美子、そして娘とデコイに。私の人生を完全なものにしてくれて、いつもそばにいてくれて本当にありがとう。ありがとうございました。
スピーチのハイライトは、間違いなく終盤の家族への言葉でした。「最後に、日本にいる家族、そして何より愛する妻の真美子、そして娘とデコイに。私の人生を完全なものにしてくれて、いつもそばにいてくれて本当にありがとう」と語った瞬間、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。
特に「Make my life complete(私の人生を完全なものにする)」という表現は、単なる感謝を超え、家族が彼にとってどれほど大きな存在であるかを物語っていました。2024年にパパとなった大谷選手の、父親としての顔が垣間見えた瞬間でもありました。
新旧「怪物」が隣り合わせに。ポール・スキーンズとの豪華な対談
この夜、ファンの間で最も話題をさらったのが、大谷選手の座席位置でした。彼のすぐ隣には、パイレーツの若き怪物、ポール・スキーンズ投手が座っていたのです。
【会場での主な交流エピソード】
- スキーンズとの談笑:160キロを超える剛速球を持つスキーンズと、二刀流の王者が並ぶ「現代野球最強」のツーショット。
- ジャッジとの再会:ア・リーグMVPのアーロン・ジャッジとも言葉を交わし、最強打者同士の絆を再確認。
- ファンサービス:多忙なスケジュールの合間を縫って、会場にいた子供たちへ丁寧にサイン。
100マイル右腕として球界を震撼させているスキーンズは、大谷選手にとって今後の手強いライバルの一人です。しかし、この日はお互いにリラックスした表情で、時折笑みを浮かべながら熱心に話し込む姿が見られました。次世代を担うスターが、生ける伝説である大谷選手から何らかのインスピレーションを受けているような、世代交代と共存を感じさせる象徴的なシーンでした。
組織全体への「感謝の流儀」。裏方スタッフの名前を出した理由
大谷選手のスピーチが他の選手と一線を画すのは、その視野の広さです。彼はフロント陣のマーク・ウォルター、アンドリュー・フリードマン、ブランドン・ゴームズといった重鎮への感謝はもちろん、現場で自分を守ってくれるスタッフにも光を当てました。
「裏方で支えてくれているスタッフ、特にアル・ガルシアさん、本当に一生懸命働いてくれてありがとう」
アル・ガルシア氏はドジャースのセキュリティトップを務めていて大谷選手を中心にボディガードを務めている方です。

このように、警備担当者の実名を出して公式の場で感謝を述べるトップアスリートは稀です。彼がドジャースという組織において、いかに愛され、また彼自身が周囲を大切にしているかが、この一言に凝縮されていました。
2026年シーズンへの期待:王者の歩みは止まらない
ワールドシリーズ制覇、3度目の満票MVP、そして家族との新たな生活。すべてを手に入れたかのように見える大谷選手ですが、その視線はすでに2026年シーズン、そして投手復帰に向けたさらなる高みを見据えています。
今回のスピーチで見せた流暢な英語と、家族への揺るぎない愛。精神的な充実が、グラウンドでのさらなる飛躍を予感させる、そんなニューヨークの夜でした。


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