衝撃のサヨナラ!佐々木朗希、鉄壁の投球でドジャースをNLCSへ導く!

試合

項目 詳細
試合日 2025年10月9日(日本時間10月10日)
対戦相手 フィラデルフィア・フィリーズ
試合結果 ドジャース 2 – 1 フィリーズ(延長11回)
勝敗 ドジャースの勝利(NLDS 3勝1敗でシリーズ突破)
勝利投手 ブライアン・ハドソン(1勝0敗)
敗戦投手 ジェフ・ホフマン(0勝1敗)

この試合、ロサンゼルス・ドジャースの「1番・指名打者(DH)」として先発出場した大谷翔平選手は、レギュラーシーズンでは見慣れないほどの苦境に立たされました。チームが地区シリーズ突破を決めるという重要な一戦にもかかわらず、バットからは快音が聞かれず、ポストシーズンでの打撃不振が続く結果となりました。

成績項目 記録 詳細な結果
打数 5
安打 0
四球 0
三振 2 2回裏(空振り)、5回裏(見逃し)
打点 0
盗塁 0
出塁機会 0
打率(NLDS) .056(18打数1安打) シリーズ全体で苦しむ

大谷のプレー詳細:続く打撃のトンネル

大谷選手は初回の第1打席、フィリーズ先発のレンジャー・スアレスの前にショートゴロに倒れ、チャンスメイクとはなりませんでした。続く3回裏の第2打席は、二死二塁という先制のチャンスで迎えましたが、高めの速球に手が出ず、見逃し三振。この打席で仕留めきれなかったことは、後に象徴的なシーンとして残ります。

5回裏の第3打席は、二死一塁から再びスアレスと対戦。カウント1-2から外角低めの変化球にバットが空を切り、空振り三振。この日は特に、ボール球になる変化球への対応に苦慮している様子が見て取れました。

同点に追いついた直後の7回裏、一死二塁の勝ち越し機で第4打席へ。相手はリリーフのホセ・アルバラード。しかし、ここでも変化球にタイミングが合わず、ショートゴロ。二塁ランナーのウィル・スミスは三塁に進むも、後続が倒れ勝ち越しはなりませんでした。

そして、延長10回裏の第5打席。一死一塁で打席に立ちましたが、今度はセカンドゴロに倒れ、痛恨のダブルプレー。この日、最後まで自身のバッティングを取り戻すことはできず、チームの勝利に打撃で貢献することはできませんでした。

試合後、大谷選手は「きょうは一生懸命やった分だけ喜んで、明日から切り替えて集中したい」と、反省と次の戦いへの決意を語りました。打棒は沈黙したものの、チームの一員として歓喜を分かち合う姿は、ポストシーズンという舞台の重みを改めて感じさせました。

大谷選手の打撃不振とは対照的に、この試合の主役の座を射止めたのは、チームメイトの佐々木朗希投手でした。1対1の同点で迎えた緊迫の終盤、マウンドに上がった佐々木投手が、まさに圧巻のパフォーマンスを披露し、ドジャースを勝利へと導きました。

移籍後は不調で厳しい評価でしたが、ポストシーズンでクローザーとして全ての試合で完璧な仕事をした佐々木選手をロバーツ監督が出迎え、ファンもスタンディングオベーションで彼の功績を称えます。

佐々木朗希投手の登板成績
項目 記録 詳細
投球回 3.0 8回表から延長10回表まで
失点 0 パーフェクトリリーフ
被安打 0
与四死球 0
奪三振 2 9回マーシュ、10回ストット
投球数 36
最速 100.7マイル(約162キロ)

伝説となった3イニング:指揮官も絶賛の完璧な火消し

佐々木投手は、1-1の同点で迎えた8回表、二死二塁の場面で緊急登板。リリーフでの回跨ぎは自身初という状況にもかかわらず、フィリーズの代打ロハスをファーストゴロに打ち取り、ピンチを脱出します。

そして迎えた9回表。先頭のマーシュをショートゴロに仕留めると、リアルミュートを100.2マイル(約161.2キロ)の剛速球で空振り三振、続くケプラーも変化球でサードフライに打ち取り、三者凡退で終えます。

さらに勢いは止まらず、延長10回表もマウンドへ。カステヤノスをサードゴロ、ストットを見逃し三振、そして俊足のターナーをライトフライに打ち取り、この日も三者凡退で切り抜けました。3イニングでわずか36球、被安打0、無失点というパーフェクトピッチングは、ポストシーズン史に刻まれる快投であり、チームの勝利を決定づける礎となりました。

試合後、デーブ・ロバーツ監督は佐々木投手の投球を「史上最高の救援投球の1つ」と絶賛。「ロウキに乾杯!」とシャンパンファイトの場で開口一番に称賛の言葉を贈り、その活躍がいかにチームにとって大きかったかを物語っています。

佐々木投手自身は、試合後の会見で「ストレートの球速が戻ってきたことと、それに伴ってフォークも良くなって、その分ストライクゾーンで勝負できている」と好投の要因を分析。さらに「ポストシーズンで勝ってワールドシリーズに勝つことが求められる」と、アメリカ野球の厳しさを理解し、「シーズンで貢献できなくて、何とか残されたシーズンで貢献したいと思っていた」と、シーズン終盤から役割が変わりながらも結果を出し続けるプロ意識の高さをのぞかせました。

この日の試合は、佐々木投手とフィリーズ投手陣による壮絶な投手戦となりました。大谷選手が打撃で貢献できなかった中、他の選手たちがチームの勝利に向けて奮闘しました。

目立ったプレー(ドジャース) 目立ったプレー(フィリーズ)
7回裏:マックス・マンシーのタイムリーで同点 7回表:リアルミュートのタイムリーで先制
7回裏:スミスの三塁進塁で勝ち越し機を演出 先発スアレスが5回2/3を1失点と好投
11回裏:ミゲル・ロハスのサヨナラ生還

息詰まる展開:終盤の攻防と劇的な結末

試合は序盤から両先発投手の好投で緊迫した展開が続きました。ドジャースは先発のジェームズ・パクストンが6回まで無失点と力投しましたが、7回表にフィリーズはJ.T.リアルミュートのタイムリーで均衡を破り、ついに1点を先制します。

しかし、ドジャースはその裏、すぐに反撃します。マックス・マンシーがレフト前へのタイムリーヒットを放ち、すぐさま1対1の同点に追いつきました。この一打が、この試合の流れを大きく変えることになります。

その後は両チームのブルペン陣が意地を見せ合い、特に佐々木投手が8回から延長10回までの3イニングを完璧に抑え、試合の流れを完全にドジャースに引き寄せます。

そして迎えた延長11回裏。ドジャースは、フィリーズの投手ホフマンからパヘスが四球を選び、さらにフリーマンがヒットでつなぎ、二死満塁という絶好のサヨナラチャンスを迎えます。ここで打席に入ったのはミゲル・ロハス。ロハスの打球はピッチャー前へのゴロとなりますが、ホフマンがこれを弾き、すぐさま本塁へ送球。しかし、この送球が逸れてしまい、三塁走者のパヘスがサヨナラのホームイン。

ドジャースが延長11回の死闘を劇的なサヨナラ勝利で飾るとともに、地区シリーズの突破を決め、ナ・リーグ優勝決定シリーズへの切符を手にしました。

地区シリーズ突破の瞬間、ドジャー・スタジアムのロッカールームでは、恒例のシャンパンファイトがスタートしました。この日、チームの勝利に決定的な貢献を果たした佐々木朗希投手が、歓喜の中心にいました。

祝賀ムードの裏側:大谷と山本の「珍場面」も

ロバーツ監督は、歓喜の輪の中で「今夜はまずはロウキを称賛しないといけない。ロウキに乾杯!」と発言し、ナイン全員が佐々木投手の方にグラスを掲げ、23歳の若き才能を労う場面は、チームの結束と佐々木投手の功績の大きさを象徴していました。佐々木投手もまた、びしょ濡れになりながらチームメイトとの喜びを分かち合いました。

シャンパンファイトでは、大谷翔平選手もゴーグルを着用し、チームメイトとともに美酒を浴びせ合う姿が見られました。特に、大谷選手が隣にいた山本由伸投手にシャンパンを噴射したところ、山本投手の口に直撃し、思わず「ブホッ!」と逆噴射してしまうという、球団カメラに収められた微笑ましい「珍場面」も生まれました。

大谷選手は打撃不振に苦しんだものの、この瞬間は完全にチームの一員として歓喜に浸り、「勝利の美酒は『何回やってもいい』」と満面の笑顔を見せました。ナ・リーグ西地区優勝、ワイルドカードシリーズ突破に続き、今季3度目の美酒となったこのシャンパンファイトは、選手たちの熱い思いと、これから始まる「あと2回、これをやるぞ」というロバーツ監督の言葉に込められたワールドシリーズ制覇への決意を新たにする場となりました。

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