試合概要:ドジャースが主砲の爆発とエースの快投でシリーズをタイに
- 試合日: 2025年10月25日(日本時間26日)
- 対戦相手: トロント・ブルージェイズ(ロジャース・センター)
- 最終スコア:
- ロサンゼルス・ドジャース: 5点
- トロント・ブルージェイズ: 1点
- 勝敗: ドジャースの勝利(対戦成績1勝1敗のタイ)
- 勝利投手: 山本 由伸
- 敗戦投手: クリス・バシット(ブルージェイズ)
- 本塁打:
- ドジャース: ウィル・スミス(1本)、マックス・マンシー(1本)
主要な活躍選手:
- 山本 由伸: 9回完投(4安打1失点、8奪三振、無四球)
- ウィル・スミス: 先制ソロホームランを含む2安打3打点
- マックス・マンシー: 勝ち越しソロホームランを含む1安打1打点
- 大谷 翔平: 8回に貴重な安打でチャンスメイク
大谷翔平、第2戦はバットを折って勝機を引き寄せた「つなぎの一打」
大谷翔平 試合でのプレーまとめ(第2戦)
- 打順・守備: 指名打者(DH)
- 打席結果: 4打数1安打、無本塁打、打率.224
- 詳細:
- 第1打席(1回表):左飛
- 第2打席(3回表):三振
- 第3打席(6回表):三振
- 第4打席(8回表):右安
二度の三振を乗り越え、終盤で流れを引き戻した大谷の貢献
ドジャースのリードオフマンとして先発出場した大谷翔平選手は、この日4打数1安打という結果でチームの勝利に貢献した。
序盤から中盤にかけて、ブルージェイズ先発のクリス・バシットの技巧的な投球に対し、タイミングが合わずに苦戦。特に3回と6回には三振に倒れるなど、持ち味の豪快な打撃は封じ込められた形となった。打率も一時的に.224と、やや低迷していることを示す数字となった。
しかし、山本由伸投手の快投に応えるべく、ドジャースが3点リードで迎えた8回表、一死一塁という追加点が欲しい場面で、大谷選手が勝負強さを見せた。ブルージェイズの2番手、ジェイ・ジャクソンが投じたボールを強引に叩き、ライト方向へ運ぶ安打を放った(右安)。
この一打で一二塁とチャンスを拡大したことが、直後のフレディ・フリーマンのタイムリー、ウィル・スミスの犠牲フライへと繋がり、ドジャースはダメ押しの2点を追加した。派手な本塁打こそなかったが、二度の三振を喫した後も気持ちを切らさず、終盤のビッグイニングの火付け役となる貴重な「つなぎの一打」を放ったことは、チームの士気を高める重要なプレーとなった。
「ポストシーズンの支配者」山本由伸、主砲の2発に守られ歴史的偉業達成
試合全体の流れと山本の投球詳細
- 歴史的快投: 山本由伸投手は9回105球を投げ抜き、4安打1失点、8奪三振、無四球で完投勝利。ポストシーズン2試合連続完投は、2001年のカート・シリング以来となる24年ぶりの快挙。
- スミス先制弾: 1回裏、ウィル・スミスがレフトへソロホームランを放ち、幸先よく先制。(ド1-0ブ)
- ブルージェイズ同点: 3回裏、アレハンドロ・カークの犠牲フライで同点に追いつく。(ド1-1ブ)
- マンシー勝ち越し弾: 7回表、マックス・マンシーがライトへソロホームランを放ち、ドジャースが勝ち越し。(ド2-1ブ)
- 終盤のダメ押し: 7回にさらに2点、8回に2点を追加し、試合を決定づける。(ド5-1ブ)
エースの熱投が主砲の爆発を呼び込んだ、第2戦の行方
初戦を落としたドジャースにとって、敵地での第2戦は絶対に落とせない試合であり、その重圧のかかるマウンドに上がった山本由伸投手が、MLBの歴史に名を刻む圧巻のパフォーマンスを披露した。
試合は、初回表に打線が山本を力強く援護する形で始まった。一死からフレディ・フリーマンが二塁打(右2)でチャンスを作ると、4番のウィル・スミスがレフトスタンドへソロホームランを放ち、ドジャースが先制。(1-0)スミスはこれでこの試合3打点を稼ぐ活躍となり、打率も.314と好調ぶりを見せつけた。
しかし、ブルージェイズも3回裏に犠牲フライで同点に追いつき(1-1)、試合は緊迫した展開となった。
ここから山本由伸投手の本領が発揮された。同点とされた後、山本投手は4回以降、ブルージェイズ打線を完全にシャットアウト。得意の高速スプリットと、カーブ、カットボールを効果的に使い分け、三者凡退のイニングを重ねた。9回までマウンドを守り切り、わずか105球という球数で9イニングを一人で投げ抜き、完投勝利を達成。ポストシーズン2試合連続完投という偉業は、ドジャースの窮地を救う歴史的な瞬間となった。
打線は、山本投手の熱投に応える形で再び爆発。同点のまま迎えた7回表、三塁手マックス・マンシーがライトスタンドへソロホームランを放ち、ドジャースが勝ち越しに成功。(2-1)マンシーの一発は、重い空気を一変させる貴重な勝ち越し点となった。
その後、ドジャースは7回にさらに1点を追加し、8回には大谷選手のヒットを皮切りにフリーマンのタイムリーなどで2点を奪い、試合を決定づけた。(5-1)
山本投手がブルペンを一切休ませ、スミス選手、マンシー選手の2本の本塁打と打線の集中打が噛み合ったこの勝利により、ドジャースはワールドシリーズの対戦成績を1勝1敗のタイに戻し、最高の形で本拠地ロサンゼルスでの戦いに臨むこととなる。
カーショウは試合後、ポストシーズンで完投を達成した最後の投手が2015年のジョニー・クエトを思い出して野球がかつての完投重視の時代に戻る可能性について触れ、山本の活躍がそのきっかけになるかもしれないと示唆しました。
試合後山本は「WSで緊張で力みがあったけどリラックスして一投ずつ投げていくことを心掛けて調整していけた」と述べています。
またMLBは彼を「10月を通して打者に悪夢をもたらす」と呪怨をオマージュしてホラーキャラに例えました。


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