試合概要
| 項目 | 詳細 |
| 試合日 | 2025年10月24日(現地時間) |
| 対戦カード | ロサンゼルス・ドジャース vs. トロント・ブルージェイズ |
| 場所 | ロジャース・センター(カナダ・トロント) |
| 最終スコア | ドジャース 4 – 11 ブルージェイズ |
| 勝敗 | ドジャースの敗戦(ブルージェイズがシリーズ1勝0敗) |
| 勝利投手 | セランソニー・ドミンゲス(ブルージェイズ、2勝0敗) |
| 敗戦投手 | ブレイク・スネル(ドジャース、3勝1敗) |
| 本塁打 | 大谷翔平(ドジャース)、ドールトン・バーショー、アディソン・バージャー、アレハンドロ・カーク(ブルージェイズ) |
剛腕スネル崩壊、ブルージェイズが9点猛攻!ワールドシリーズ第1戦の激しい攻防
ワールドシリーズのオープニングを飾るドジャース対ブルージェイズの第1戦は、予想だにしない展開となりました。ドジャースが先制点を奪い優位に進めるも、ブルージェイズが中盤に歴史的な大爆発。一気に流れを引き寄せ、ドジャースを粉砕しました。
試合全体の目立ったプレーまとめ
- ドジャースの先制とリード: 初回、ウィル・スミスのタイムリーで先制。
- バーショーの同点弾: 4回裏、ブルージェイズのドールトン・バーショーが同点2ランホームラン。
- 悪夢の6回裏: ドジャースのブレイク・スネル投手が打ち込まれ降板した後、救援陣も炎上。
- バージャーの代打満塁弾: 6回裏、アディソン・バージャーが代打で登場し、試合を決定づける満塁ホームランをセンターへ叩き込む。
- カークの追い討ち弾: 6回裏、アレハンドロ・カークも2ランホームランを放ち、この回だけでブルージェイズが9点を奪取。
- 大谷の意地の一発: 7回表、大谷翔平が2点本塁打を放ち一矢報いる。
試合の流れ詳細:リードを守れなかったドジャース投手陣
ドジャースは初回、二死一、三塁からウィル・スミスがレフト前にタイムリーヒットを放ち先制。ワールドシリーズの舞台でまず主導権を握ります。しかし、ナ・リーグのプレーオフを勝ち抜いてきたドジャース先発のブレイク・スネルは、立ち上がりからボールが高めに浮くなど不安定でした。
3回にはトミー・エドマンのホームランで2点目を奪い、ドジャースが2-0とリードを広げた直後の4回裏、ブルージェイズが反撃。一死一塁からドールトン・バーショーがスネルの甘く入った変化球を捉え、ライトスタンドへ同点となる2ランホームランを運び、試合を振り出しに戻します。
そして、運命の6回裏。
ドジャースはこの回も続投したスネルが、先頭のジョージ・スプリンガーにヒットを許し、アンドレス・ヒメネスにも四球を与えて無死一、二塁のピンチを迎えたところで降板。プレーオフで圧倒的な存在感を見せてきたスネルでしたが、ワールドシリーズ初戦は5イニングで3安打2失点、4四球と本来の調子には程遠い内容でした。
マウンドを引き継いだリリーフ投手もブルージェイズ打線の勢いを止められず、味方守備のエラーも絡み、無死満塁の絶体絶命のピンチを招きます。ここでブルージェイズは代打アディソン・バージャーを投入。バージャーはフルカウントからの変化球を完璧に捉え、センターバックスクリーンへ叩き込む特大の代打満塁ホームラン!この一打でスコアは2-7となり、完全に試合の流れはブルージェイズへと傾きました。
この猛攻は止まらず、打線はさらに繋がり、二死からアレハンドロ・カークがまたしても2ランホームランを放ち、6回裏だけで9点を奪うというワールドシリーズ史上でも稀に見る歴史的な猛攻を披露。スコアは2-11となり、事実上勝負が決しました。ドジャースは7回表に大谷翔平のホームランで2点を返したものの、大勢を覆すには至らず、ワールドシリーズ初戦を4-11という大差で落としました。
ドジャースにとって誤算だったのは、ポストシーズンで安定していた先発スネルの不調と、ブルペン陣のまさかの大崩壊でした。一方、ブルージェイズは先発のトレア・イエサベージが5回途中までを2失点に抑え試合を作り、特に6回に代打で満塁弾を放ったバージャーの活躍が光りました。
凄まじい歓声の中、大谷翔平がワールドシリーズ初アーチ!意地を見せる一発も満塁での凡退が痛手
ドジャースの「1番・指名打者」としてワールドシリーズ初戦に臨んだ大谷翔平選手は、ポストシーズンの舞台で大きな注目を集める中、打者として1安打2打点、1四球、2三振という結果に終わりました。唯一の安打となったのは、7回に放った自身キャリア初のワールドシリーズ本塁打です。
大谷翔平 試合でのプレーまとめ(DH:1番)
- 第1打席(1回表): 相手先発イエサベージに対し、空振り三振。
- 第2打席(2回表): 二死満塁のチャンスで打席に立つも、ファーストゴロに倒れ、チャンスを活かせず。
- 第3打席(5回表): 先頭で打席に立つも、見逃し三振。
- 第4打席(7回表): 2-11と大差をつけられた場面で、代わったばかりの救援投手ブライドン・フィッシャーからライトへ特大の2ランホームラン。
- 第5打席(9回表): 二死走者なしで、この日2つ目の四球を選び出塁。
大谷の打席詳細:希望を繋ぐ一発と痛恨の満塁凡退
大谷選手にとって、この試合はワールドシリーズのキャリアをスタートさせる記念すべき一戦となりましたが、全体としては悔しい内容となりました。
1回表の第1打席は、ブルージェイズの若手先発トレア・イエサベージの鋭い速球と変化球にタイミングが合わず、空振り三振。続く2回表には、ウィル・スミスのタイムリーなどで二死満塁という絶好のチャンスで再び大谷選手に打席が回ります。ここで追加点を奪っておけば、後の展開は大きく変わっていたかもしれません。しかし、大谷選手はイエサベージの低めのスライダーを打ち損じ、痛恨のファーストゴロ。ドジャースのリードは1点のままとなり、この凡退が試合序盤の大きなターニングポイントとなりました。
5回表の第3打席は、先頭打者として出塁し、流れを引き戻したい場面でしたが、イエサベージの投球を見極められず、見逃し三振。この時点で大谷選手は3打席連続で出塁がなく、チームも同点に追いつかれて苦しい展開でした。
しかし、試合が決したかに見えた7回表の第4打席で、大谷選手は意地を見せます。
2-11と9点差をつけられた後の攻撃。一死一塁で代わったばかりのブルージェイズの救援左腕、ブライドン・フィッシャーと対戦。カウント1-1からの3球目、甘く入った84.3マイル(約135.7km/h)のスライダーを完璧に捉えます。打球は角度31度、初速108.8マイル(約175.1km/h)という弾丸ライナーで舞い上がり、ライトスタンド中段へ突き刺さる2ランホームランとなりました。
これは大谷選手にとって、移籍後初のワールドシリーズでのアーチであり、プレーオフ全体では今ポストシーズン5本目の本塁打となりました。特大のホームランは、大差をつけられた中でもドジャースファンに一縷の望みを与える意地の一発でしたが、リードを縮めたに留まり、チームを勝利に導くことはできませんでした。
9回表の第5打席では、ブルージェイズファンから大谷選手のFA時の去就を揶揄するような異例のチャントが送られる中、冷静に四球を選び出塁しました。これは大谷選手のメンタルの強さを示しましたが、後続が倒れて試合終了となり、シリーズ初戦は苦い敗北となりました。
投打「二刀流」でナ・リーグ優勝決定シリーズを制した大谷選手でしたが、ワールドシリーズ初戦では打撃での貢献は限定的となり、チームの大敗を阻止することはできませんでした。第2戦での巻き返しに期待がかかります。
試練の第1戦敗退から何を学ぶか?ドジャースが迎える反攻への道
ワールドシリーズという大舞台で、まさかの大敗を喫したドジャース。この試合で露呈したのは、先発ブレイク・スネルの制球難と、ブルペン陣の対応力の欠如でした。特に6回裏の9失点は、ポストシーズンを戦い抜く上で大きな懸念材料となるでしょう。
しかし、まだシリーズは始まったばかりです。敗戦の中にも、大谷選手のワールドシリーズ初ホームランというポジティブな要素もありました。大谷選手のバットから放たれた豪快な一発は、ドジャース打線が本来持っている爆発力を示しており、次の試合への希望を繋いでいます。
第2戦では、ドジャースは山本由伸投手が先発する予定です。山本投手には、第1戦で疲弊した投手陣を休ませるためにも、長いイニングを投げ抜き、試合の流れをドジャース側へ引き戻す投球が求められます。
ドジャースにとって真の試練はここからです。圧倒的な戦力で勝ち上がってきたとはいえ、ブルージェイズも強敵です。この大敗を一時的な「波乱」で終わらせるのか、それともシリーズ全体の流れを決めてしまう「転換点」としてしまうのかは、第2戦にかかっています。
ドジャースが誇るスター選手たちの真価が問われるのは、逆境に立たされた今です。大谷選手、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンら主軸の奮起、そして投手陣の立て直しが、世界一への鍵となるでしょう。

コメント