大谷、猛打の口火!NLCS第3戦で躍動の先頭三塁打が呼び込んだ勝利の扉

試合

2025年10月16日(現地時間) 試合概要

  • 対戦カード: ロサンゼルス・ドジャース vs ミルウォーキー・ブリュワーズ
  • 球場: ドジャー・スタジアム
  • 最終スコア: ドジャース 3 – 1 ブリュワーズ
  • 勝敗: ドジャースの勝利(NLCS 3勝0敗)
  • 勝利投手: アレックス・ヴェシア(Alex Vesia)(2勝0敗)
  • 敗戦投手: ジェイコブ・ミジオロフスキー(Jacob Misiorowski)(2勝1敗)
  • セーブ: 佐々木朗希(Roki Sasaki)(3セーブ)

ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第3戦、ドジャースが本拠地ドジャー・スタジアムにブリュワーズを迎えたこの試合、ロースコアの緊迫した展開の中で、大谷翔平選手の先頭打者としての役割が勝利を決定づける重要な鍵となりました。

  • 第1打席(1回裏): 左腕アシュビーの低めスライダーを捉え、ライトへの三塁打。先制点のチャンスメイクに成功。
  • 第2打席(3回裏): ルーキー右腕ミジオロフスキーのカットボールを強振。打球速度108.6 [mph]の痛烈な当たりだったが、センターフライに倒れる。
  • 第3打席(5回裏): ミジオロフスキーに空振り三振。10球粘るも、最後はカーブにタイミング合わず。
  • 第4打席(7回裏): 救援左腕ケーニヒに対し、無死一・二塁のチャンスで空振り三振。追加点の好機を逸する結果に。
  • 最終成績: 4打数1安打(三塁打)、1得点、2三振。

詳細解説:瞬時にギアを上げた大谷の走塁技術

1回裏、試合開始直後の重い空気を一変させたのは、大谷選手のバットでした。ブリュワーズ先発の左腕アーロン・アシュビー投手が投じた2球目、アウトコース低めのスライダー(球速84.4 [mph]、スピン量2656 [rpm])に対し、大谷選手は体勢を崩さず、右方向へ弾き返します。

この打球は、派手なホームランではありませんでしたが、打球速度81.9 [mph]、打球角度17度という理想的なライナー性の当たりで、ブリュワーズ右翼手ジャクソン・チューリオ選手の頭上を越え、フェンス手前でワンバウンド。大谷選手は迷うことなく二塁を蹴り、さらに三塁へ向けて加速します。

ポストシーズンという極限の緊張感の中で、一塁から三塁まで全速力で駆け抜けたそのスピードは、まさにベースランニングのスペシャリストのそれでした。ヘッドスライディングで三塁に到達し、先制点のチャンスメイクに成功。

この走塁は相手バッテリーと守備陣に大きなプレッシャーを与え、続くムーキー・ベッツ選手が、すぐさまレフトへのタイムリー二塁打を放ち、あっという間にドジャースが1点を先制しました。

その後は、ブリュワーズの若き豪腕ジェイコブ・ミジオロフスキー投手が立ちはだかり、大谷選手は2三振を喫し、追加点に繋がるチャンスでの凡退もありましたが、この試合の勝利の「口火」を切ったのは、紛れもなく大谷選手が放った先制三塁打であり、彼の走塁能力の高さが改めて証明されました。

試合の流れのハイライト

  • 初回先制とすぐさまの同点劇:
    • 1回裏:大谷の三塁打とベッツのタイムリー二塁打でドジャースが先制(1-0)。
    • 2回表:ブリュワーズがダービン、バウアーズの連打で同点に追いつく(1-1)。
    • 静寂を破った決勝点:
    • 6回裏:ウィル・スミス、フレディ・フリーマンの出塁後、トミー・エドマンがセンターへ勝ち越しタイムリー(2-1)。
    • 6回裏:ブリュワーズのけん制悪送球により、フリーマンが追加点のホームを踏む(3-1)。
  • ドジャース鉄壁のリリーフ陣:
    • 先発グラスノーが5回2/3イニングを1失点に抑え、試合の土台を作る。
    • 中継ぎ陣がブリュワーズの反撃を完全に封じ込める。
    • 9回表:佐々木朗希が登板し、強打者を三者凡退で抑え、シリーズ3セーブ目を記録。

詳細解説:重圧を跳ね返したドジャースの層の厚さ
この試合のターニングポイントは、ドジャース先発のタイラー・グラスノー投手と、ブリュワーズのジェイコブ・ミジオロフスキー投手による緊迫の投げ合いでした。両投手の持ち味である圧倒的な速球が唸り、両打線とも安打がなかなか出ない展開が続きました。

グラスノー投手は、2回に同点を許したものの、それ以降は圧巻のピッチングを披露。特に、彼の高速スライダーはブリュワーズ打者のバットを空転させ、結局8つの三振を奪う力投を見せ、試合の主導権を渡しませんでした。

そして、試合を決定づけたのは6回裏のドジャース打線でした。 ウィル・スミス選手が右中間へのヒットで出塁し、フリーマン選手がフォアボールを選んでチャンスを作ります。ここで打席に立ったのは、この日ミジオロフスキー投手から2三振を喫していたトミー・エドマン選手でした。エドマン選手は、ミジオロフスキー投手の勝負球である低めのスライダーをセンターへ弾き返し、勝ち越しのタイムリーヒットとしました(2-1)。

さらにブリュワーズの救援投手アブナー・ウリベ投手が、二塁ランナーのフリーマン選手へのけん制球を暴投。これが大きく逸れてファウルゾーンを転々とする間に、フリーマン選手が一気にホームまで生還し、大きな3点目をもぎ取りました(3-1)。相手のミスに乗じて加点する、ポストシーズンでの勝負強さが際立つ一打でした。

最終回9回表は、ドジャースの頼れる守護神、佐々木朗希投手がマウンドに上がります。ファンも佐々木が上がると大歓声に。先頭のウィリアム・コントレラス選手をストレートで押し込み三振に打ち取ると、クリスチャン・イエリッチ選手もきっちり抑え込みます。

そして最後は、アンドリュー・ヴォーン選手の強烈なショートゴロを、ショートのムーキー・ベッツ選手が華麗なダイビングキャッチで処理し、一塁へ正確な送球。アウトを奪い、ゲームセット。

先発陣の安定感に、ヴェシア選手や佐々木選手らブルペン陣の鉄壁の守りが加わり、ドジャースは投手力の総合力でこの接戦を制しました。これでNLCSは3連勝。2000年代以降のMLBで、ポストシーズンで3勝0敗からの逆転シリーズ突破は過去に例がなく、ドジャースはワールドシリーズ進出へ、まさに王手をかけました。

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