大谷の決勝点アシストとベッツの神判断でドジャースが激戦を制し、地区シリーズ王手

試合

試合日と結果 2025年10月6日(日本時間) / フィラデルフィア・フィリーズ(地区シリーズ第2戦) / ドジャース 4 – 3 フィリーズ

「投手戦」を打ち破った!大谷翔平の”仕事人”たる一打

ポストシーズンの敵地、シチズンズ・バンク・パークで繰り広げられたナショナル・リーグ地区シリーズ第2戦は、終盤まで息詰まる投手戦となりました。ドジャースの先発ブレイク・スネル投手は、フィリーズの強力打線を相手に6イニングをわずか1安打、無失点、9奪三振という圧巻の快投を披露。一方、フィリーズの先発ルザード投手も負けじと好投を見せ、試合は6回を終えて0-0という緊張感の極限に達していました。

しかし、野球は打線がつながり、試合が動くスポーツです。その均衡が破られたのは7回表。ドジャース打線が一気に爆発し、その猛攻を決定づけたのは、3番に座る大谷翔平選手の一振りでした。(大谷選手の成績と詳細については前述の通り)

この一打は、大量点を取って相手の反撃ムードを断ち切るという、大谷選手の「仕事人」たる役割を見事に果たしたものであり、チームの勝利に直結する大きな意味を持つ貴重な一打となりました。

この試合の最終盤、ドジャースの勝利を文字通り手繰り寄せたのは、6回を0点に抑えたスネル選手。そしてムーキー・ベッツ選手と佐々木朗希投手の「守りの力」でした。特に9回裏のプレーと、佐々木投手の起用を巡るロバーツ監督の采配は、試合後に大きな話題となりました。

🛡️ 9回裏のターニングポイント:ベッツの「ホイールプレー」

この試合の最大のターニングポイントは、9回裏の猛追を止めきったベッツ選手の「守備の神判断」でした。4-3と1点差に詰め寄られ、ノーアウト二塁という最大のピンチで、フィリーズのストット選手が送りバントを試みます。

三塁手のマックス・マンシー選手が打球を処理すると同時に、ショートのベッツ選手は、打球ではなく、二塁走者の三塁進塁を防ぐための「ホイールプレー」を実行。一瞬の判断で三塁ベースカバーに入り、マンシー選手からの送球をキャッチして、二塁走者をタッチアウトにしました。

ホイールプレーの解説動画

ベッツ選手のこの「野球IQの極致」とも言える冷静沈着なプレーがなければ、同点ランナーが三塁に進み、その後の展開は極めて不利になっていたはずです。この完璧な守備連係は、敵地フィリーズの熱狂的なファンからのブーイングを誘発するほど、試合の流れを変える決定的な一打となりました。ベッツ選手こそが、この試合の「無形のヒーロー」と言えるでしょう。

💥 佐々木朗希:クローザーの地位を確固たるものに

佐々木朗希 9回裏、二死一・三塁 4-3の1点差、一打同点の最大のピンチで登板。
最終打者 トレイ・ターナー NL首位打者をセカンドゴロに打ち取り、試合終了。
結果 2試合連続セーブ ポストシーズンでのクローザーとしての地位を不動のものとする。

ベッツ選手の好プレーで一死二塁となったドジャースは、その後もピンチが続き、二死一・三塁という一打同点の状況で、デーブ・ロバーツ監督はクローザーの佐々木朗希投手をマウンドに送ります。佐々木投手は、この日も打撃で沈黙していたフィリーズの核弾頭、トレイ・ターナー選手に対し、冷静に投球。最後はターナー選手をセカンドゴロに打ち取り、4-3で試合を締めくくりました。

佐々木投手は、これでポストシーズン2試合連続セーブ。ポストシーズンでのクローザーとしての役割を完璧に果たし、自身の地位を確固たるものにしました。この大舞台での圧倒的な存在感は、チームの勝利にとって不可欠な要素となっています。

🗣️ ロバーツ監督の采配にファンは疑問・・・

この試合では、デーブ・ロバーツ監督の投手采配について、特にブレイク・ トライネン投手の起用と、佐々木投手の投入タイミングが、試合後、米メディアやファンの間で議論の的となりました。

采配のポイント 試合での状況 世間の評価(論点) 監督の意図 (推測)
トライネンの続投 8回裏から登板し、9回裏に3連打を浴びて失点。1点差に詰め寄られる。 「なぜ トライネンを続投させた?」「彼を信用しすぎた」と批判的。佐々木や他のリリーフを早めに使うべきだったという声。 ポストシーズンで実績のある トライネンを信頼し、佐々木投手をセーブ機会に温存する定石通りの采配。
佐々木の投入時期 9回裏、二死一・三塁の最大のピンチで投入。 「投入が遅すぎる」「無死の状況から佐々木を使うべきだった」と、接戦でのリスク管理の甘さを指摘。 佐々木投手の連投や疲労を考慮し、最も重要な最後の打者(ターナー)にぶつけるための「勝負の采配」

ロバーツ監督は、試合後、佐々木投手の投入について「彼は連投が多くなかったので、この状況で投入するのがベストだと判断した」と語り、佐々木投手をチームの「最も重要な局面で使うべき切り札」として温存したことを示唆しています。しかし佐々木の肩を温めるのも遅かったことと、翌日は試合が無いのに温存しようとしたことに疑問を持つファンも多いです。

結果的にドジャースは勝利を収めたため、最終的には「結果オーライ」という評価が大半を占めています。しかし、特に トライネン投手の続投に関しては、フィリーズの猛追を許した要因として、リスク管理の甘さを指摘する声も根強く残っています。

シーズン中からリリーフ陣の崩壊はファンの目にも明らかでした。攻撃力抜群のフィリーズ相手で更に本拠地という絶体絶命の状況に佐々木がクローザーとして覚醒したおかげで窮地は免れたものの、リリーフ陣の問題を監督の采配である程度補うことも期待できないのが今後の不安要素となりそうです。

しかし、ベッツ選手の神判断という「守備の力」、そして佐々木投手という「絶対的なクローザー」が、監督の采配が生んだピンチを乗り越えたことで、この試合はドジャースの「チーム力」が勝利をもたらしたという、深みのある一戦として記憶されることになりました。

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