試合結果
2025年8月24日(現地)@ペトコ・パーク
ロサンゼルス・ドジャース 8–2 サンディエゴ・パドレス/カード1勝2敗、通算74勝57敗で地区同率首位に復帰。
大谷が沈黙破る一発、相手ファンへのハイタッチで魅せる
- 第1打席(1回):四球→Teoscar Hernández(テオスカル・ヘルナンデス)の犠飛で先制のホームイン。
- 第2打席(3回):空振り三振。
- 第3打席(5回):センターフライ。
- 第4打席(7回):空振り三振。
- 第5打席(9回):右中間へソロ本塁打(409ft)
この試合、大谷翔平は初回の四球で出塁し、テオスカル・ヘルナンデスの犠牲フライで先制のホームを踏んだ。続く2打席目と4打席目は空振り三振、3打席目はセンターフライに倒れ、シリーズを通してパドレス投手陣に苦しめられてきた流れを引きずるような内容だった。
しかし9回1死の場面で、松井裕樹が投じたボールを捉え、右中間スタンドへ運ぶ409フィートの一撃。これが今季45号となり、ナ・リーグの本塁打争いで再び首位に並んだ。打った瞬間に確信を持って歩き出した大谷の姿に、ドジャースベンチは総立ちとなり、スタジアム全体も大歓声に包まれた。
試合中ヤジを続けたパドレスファンを見返すように45号を打った大谷
その直後、大谷は一転して意外な行動に出た。試合中ずっとヤジを飛ばしていたパドレスファンの元へ歩み寄り、笑顔でハイタッチを交わしたのだ。敵地で繰り広げられた皮肉とユーモアの応酬に、観客席からは驚きと拍手が入り混じった反応が起こった。
ベンチへ戻ると、テオスカル・ヘルナンデスがヒマワリの種をばら撒きながら祝福。
SNSとファンの声「スポーツマンシップの象徴」
試合直後から、この“ヤジ返しハイタッチ”はSNSで爆発的に拡散された。現地放送を切り取った動画は数百万再生を超え、ファンからは「最高にクール」「こんな返し方ができる選手はいない」「敵地なのに笑いと尊敬を勝ち取った」といったコメントが相次いだ。
デーブ・ロバーツ監督もヤジには「ずっと邪魔だった」「翔平らしいユーモアが出た瞬間」「彼の人間らしいところが見れた」と笑顔で語り、チーム全体がこの一発のインパクトを共有した。フレディ・フリーマンも「彼に別の“歓声の理由”を与えられたのは最高だ」と大谷の対応を称賛している。
一方でパドレスファンからも「やられたけど笑った」「あの態度は憎めない」と好意的な反応が多く、ただの本塁打にとどまらないシーンとなった。大谷のバットはもちろん、振る舞いそのものが観客を魅了したことを示す場面だった。
終盤に解禁された一発攻勢──“ロブ→同点→逆転→ダメ押し”まで
- 初回、満塁からテオスカル・ヘルナンデス(Teoscar Hernández/テオスカル・ヘルナンデス)の大飛球をラモン・ラレアーノ(Ramón Laureano/ラモン・ラレアーノ)がフェンス越しに強奪。結果は犠牲フライで大谷が先制のホームイン。
- 3回、エリアス・ディアス(Elias Díaz/エリアス・ディアス)の2ランでパドレスが逆転。
- 6回、フレディ・フリーマン(Freddie Freeman/フレディ・フリーマン)が中堅へ同点ソロ。
- 7回、ダルトン・ラッシング(Dalton Rushing/ダルトン・ラッシング)がジェレミーア・エストラーダ(Jeremiah Estrada)から決勝3ラン。直後にフリーマンがこの日2本目で突き放す。
- 9回、大谷が松井裕樹(Yuki Matsui/マツイ・ユウキ)から右中間へ45号でダメ押し。最終スコアは8–2。
一発で空気が変わる、その手前に守備の“ロブ”あり
1回無死満塁で打席のヘルナンデスは、右中間最深部へ完璧な当たり。普通ならグランドスラムの打球だったが、ラレアーノがフェンスに飛び込みスタンドインを阻止。それでも十分に深い飛球で、三塁走者の大谷がタッチアップし先制した。いきなり“4点相当の当たりが1点”に変換されたことで、試合は重たい出だしとなる。
3回にディアスの2ランで逆転を許すも、6回表にフリーマンがセンター右寄りへ同点ソロ。ここで攻撃の扉が開く。続く7回、二死一・二塁からルッシングがフルカウントでスライダーを完璧に捉え、右中間へ決勝3ラン。相手は今季ドジャース相手に苦戦しているエストラーダ、パドレスは左のモレホン投入も検討した場面だったが勝負を選び、これが裏目に出た。直後、フリーマンが二打席連続のアーチで7–2。一振りで試合の重力が反転する、ドジャースらしい畳みかけだった。
9回は“締めのひと振り”。大谷が松井の真っすぐ系を右中間へ409フィート。この打席が終日続いたヤジへの“笑顔の返礼”につながる。ベンチへ向かわずタティスJr.のユニを着たパドレスファンの元へ寄り、ハイタッチ→背中ポン。その後ベンチでヘルナンデスのヒマワリの種シャワー、ロバーツ監督の満面ハイタッチで祝宴――という流れまでが公式リポートで時系列確認できる。映像クリップでも、右中間スタンドへ消える弾道と“寄り道”の一部始終が残っている。
先発・山本由伸の仕事:6回2失点で流れを耐える
山本由伸は6回4安打2失点、2四球6奪三振。要所でゴロを打たせ、スコアボードを最小限に抑えて攻撃再点火を待つ投球だった。球数92での降板も妥当。後を受けたドレイヤー→トライネン→スコット→イェーツの継投が残り3回を被安打1で完封し、山本の今季11勝目を盤石にした。
パドレスの視点:采配の分岐と“たった一球”の重さ
ニック・ピベッタ(Nick Pivetta/ニック・ピベッタ)は6回2失点の好投で試合を作った。勝負どころの7回、パドレスは左のモレホンを温存し右のエストラーダ続投を選択。しかし甘く入ったスライダーがルッシングのスイング軌道に吸い込まれる。地元サイドの公式記事も、この継投判断をターニングポイントとして整理している。“通常なら勝ちパで上書きできる局面”を、ドジャースの一発精度が上回った。
総括:守備のスーパーキャッチから、論理的に導かれた“8–2”
初回の“グラスラ強奪”がなければ、序盤で勝負は終わっていたかもしれない。だが1点で耐えた先に、6回の同点、7回の逆転・加点、9回のダメ押しがある。投手戦の構図から長打戦への移行を、ドジャースがアジャストの早さと選球で掴み切った一戦だった。結果として本塁打4発・8得点。カードは落としつつも、シーズン9勝4敗で直接対決のタイブレーカー優位、勝率でも74勝57敗で並び首位同率に。後味の良い“取り返し方”としては100点だ。
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