野球誌ベースボール・アメリカは、今シーズンのメジャーリーグのMVPを発表しました。MVPにはニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手が選ばれ、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平投手は2年連続の受賞とはなりませんでした。
ジャッジ選手は58本塁打、144打点、OPS1.159、本塁打率9.64など、数々の記録を打ち立てました。特に長打率.701は、2004年のバリー・ボンズ以来の高水準でした。また、wRC+(打席あたりの得点創出の多さを示す指標)では218を記録し、右打者として歴代最高の数値を達成しました。
MLB全体でトップの出塁率.458、長打率.701、本塁打58、打点144、四球133、wRC+218、fWAR11.2を記録しました。さらに、ジャッジは中堅手としても多くの試合に出場し、ヤンキースの勝利に大きく貢献たことが評価されました。
一方、大谷選手は今シーズン、史上6人目となる40-40を達成し、さらに前人未到の50-50も達成。打率、本塁打、打点、盗塁のいずれも自己ベストを更新し、54本塁打&130打点で2冠に輝きました。また23年ぶりのシーズン400塁打も達成。全米野球記者協会(BBWAA)によるナ・リーグMVPの最有力候補にも挙げられています。
大谷選手はこれまでにMVPを2021年と2023年に受賞しています。ジャッジ選手は2022に受賞しているので両選手が交互に受賞している形に。
なぜ大谷選手はMVPを取れなかったのか
これは疑問に思う人もいましたが、そもそもMVPの基準は以下のようになっています。
- 打撃成績: 本塁打、打点、出塁率、長打率などの主要な打撃指標を重視
- 守備の貢献: 守備位置でのパフォーマンスや守備範囲も評価の対象
- チームへの貢献度: チームの勝利にどれだけ貢献したかも重要
- WAR(Wins Above Replacement): 選手の総合的な貢献度を示す指標であるWARも重要な評価基準です
- インパクトとストーリー性: 選手のシーズンを通じたインパクトやストーリー性も考慮されます
大谷ジャッジ両名ともチーム優勝を果たしました。盗塁以外はジャッジ選手が打撃成績は全て大谷選手を上回っていました。また大谷選手はDH、ジャッジ選手は野手として出ていたのでその分の+評価もあります。
ジャッジ選手のfWARは11.2。大谷選手は9.2で両氏ともリーグトップの成績。二人とも今シーズンは歴史的な成績を残し多くのファンや記者に強い印象を与えました。
話題性で前人未到の50-50という点がどう影響するかが鍵でした。ジャッジ選手も打率.701はバリー・ボンズ選手以来の成績だったのですがインパクトや話題性の点では大谷選手が上回っていたのは間違いありませんでした。
しかしその他WARや野手とDHなど総合的に点数を付けていった結果ジャッジ選手の評価点が上回ったとされています。長年の野球ファンも最初からジャッジ選手だという声も多く、MVPの基準は話題性もあくまで数字の一つとして数えています。
日本では話題性優先で評価する賞も多いのでこういうふうにちゃんと評価基準がわかると納得ですね。
以下のBAのWEBページにのジャッジ選手の詳細な評価が書かれています。
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