2025年ワールドシリーズ。誰もが固唾を飲んで見守ったその結末は、ロサンゼルス・ドジャースがトロント・ブルージェイズとの激闘を制し、劇的な形で2年連続の世界一の栄冠を掴むという、まさに歴史的なものとなりました。
日本時間11月2日、カナダ・トロントのロジャーズ・センターで行われた運命の第7戦。この試合は、日本人選手たちが主役となり、数々の前人未到の記録が誕生した、ワールドシリーズ史に残る一戦です。
本記事では、この世紀の激闘を詳細に振り返り、山本由伸投手のWS MVPという歴史的快挙と、大谷翔平選手の二刀流としての存在証明に焦点を当てて深掘りしていきます。
🗓️ 試合概要:ワールドシリーズ第7戦(日本時間11月2日)
| 項目 | 詳細 |
| 最終スコア | ドジャース 5 – 4 ブルージェイズ(延長11回) |
| 勝敗 | ドジャースの勝利(対戦成績4勝3敗でワールドシリーズ連覇達成) |
| 勝利投手 | 山本 由伸 (Y. Yamamoto)(リリーフ・中0日) |
| 敗戦投手 | チャド・グリーン (C. Green) |
| 本塁打 | LAD:M. マンシー、M. ロハス、W. スミス(決勝弾) / TOR:B. ビシェット(3ラン) |
| シリーズMVP | 山本 由伸 (Yoshinobu Yamamoto) |
大谷翔平、歴史を刻んだ二刀流先発と驚異の打撃成績
史上初のWS第7戦「1番・投手」起用
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、運命の最終戦で誰もが予想し得なかった、そして歴史に名を刻む決断を下しました。それが、エースであり主砲である大谷翔平を「1番・投手兼指名打者(DH)」として先発させるという、前例のない二刀流起用です。
これは、ワールドシリーズのウィナー・テイク・オール(優勝決定戦)において、打線の中核を担う打者が同時にマウンドに立つという、大谷選手にしか許されない、監督の勝利への執念と、彼への絶対的な信頼を示すものでした。
厳しいマウンド、バットで奮闘
この大一番での大谷選手は、マウンド上では苦しみました。
- 投手成績(第7戦): 2回1/3、被安打5、与四球2、失点3、奪三振3
特に3回裏、先頭から四球とヒットでピンチを招くと、ブルージェイズの主砲ボー・ビシェットに高めの変化球を捉えられ、痛恨の3ランホームランを浴びてしまいます。この一発で先制を許した大谷投手は、わずか51球でマウンドを降りました。
しかし、大谷選手はこれで終わりませんでした。指名打者として試合に出場し続けます。
- 打者成績(第7戦): 6打席5打数2安打1四球
投手としての降板後も、5回表には相手先発マックス・シャーザーからセンター前にヒットを放つなど、バットで粘り強くチームに貢献。この「投手として登板した優勝決定戦で複数安打を記録」という偉業は、1934年のディジー・ディーン以来、実に91年ぶり史上2人目の金字塔となりました。マウンドでの悔しさをバットにぶつけ、「打者として」チームの勝利に貢献し続けるという、大谷翔平にしか成し得ない**「二刀流の存在証明」**が、この大一番で刻まれたのです。
大谷翔平 2025年ワールドシリーズ通算成績
大谷選手は、ワールドシリーズ全体を通じて、マウンドで1度、打者として全7試合に出場し、攻守にわたりチームを牽引しました。
| 項目 | 打者成績 | 投手成績 |
| 打率 | .318 | 勝敗 |
| 本塁打 | 3本 | 防御率 |
| 打点 | 5 | 投球回 |
| 出塁 | 19回 | 奪三振 |
| 四球 | 8(うち敬遠5) |
🥇 山本由伸が世界を制す!MVP獲得と中継ぎ登板のドラマ
異次元の鉄腕!中0日登板が歴史を変えた
ドジャースの2年連続優勝の最大の立役者であり、ワールドシリーズMVPに輝いたのが、山本由伸投手でした。第7戦での彼の活躍は、まさに**「超人」**と呼ぶにふさわしいもので、シリーズのハイライトとなりました。
山本投手は、わずか前日(第6戦)に先発として96球を投げたばかりです。しかし、ドジャースが4-4の同点で迎えた9回裏2死満塁という、まさに**「世界一か、敗退か」**という極限のピンチで、デーブ・ロバーツ監督は彼をマウンドに送りました。
- 登板(第7戦): 9回裏 2死満塁からリリーフ(第6戦先発から中0日)
- 投球内容(第7戦): 2回2/3、被安打0、与四球1、奪三振2、失点0
山本投手は、この緊急登板でブルージェイズのリードオフマン、スプリンガーを空振り三振に仕留め、チームを救います。
満塁のピンチで打たれましたがパヘスが一緒に駆け寄ったキケにぶつかりながらキャッチし無失点に抑える好プレー。
そして延長10回も完璧に抑え、直後の11回表にウィル・スミスが勝ち越し弾を放った後もマウンドへ。
11回裏、先頭打者ゲレーロJr.に二塁打を許し、無死三塁のサヨナラ危機に直面しますが、ここでも動じません。彼は冷静に打者を打ち取り、最後の打者カークをセカンドゴロ併殺に仕留めてゲームセット。中0日のリリーフで胴上げ投手という、野球の歴史に残る偉業を成し遂げました。
🚨 史上初の二大金字塔!敵地で打ち立てた偉業
山本投手は、この第7戦の勝利により、シリーズ3勝目を達成。
WS三勝した歴代選手は以下になってます。
- 1957年 ルー・バーデット
- 1967年 ボブ・ギブソン
- 1968年 ミッキー・ロリッチ
- 2001年 ランディ・ジョンソン
- 2025年 山本由伸
この記録は、2001年のランディ・ジョンソン以来、24年ぶりとなる快挙であることに加え、以下の**二つの「史上初」**を打ち立てました。
- ワールドシリーズでの3勝を全て「敵地」で挙げた史上初の選手。
- ワールドシリーズ敵地の第6戦と第7戦で連投し、勝利投手になった史上初の選手。
(※ドジャースがワールドシリーズで勝利を収めたのは第2戦、第6戦、第7戦であり、全てブルージェイズの本拠地ロジャーズ・センター(敵地)での勝利でした。)
なおワールドシリーズで4勝を挙げた投手は歴代二人です。
- ハリー・ブレチン (Harry Brecheen):1946年 (セントルイス・カージナルス)
- クリスティ・マシューソン (Christy Mathewson):1905年 (ニューヨーク・ジャイアンツ)
現在はローテーションなどで4勝するのは極めて困難で、3勝も異例中の異例といわれる状況となっています。
つまりこのWSにおいて山本は「異次元の鉄腕」として、彼はチームを窮地から救い、文句なしのワールドシリーズMVPを獲得。これは、松井秀喜選手以来二人目の日本人選手MVPで、日本人投手として史上初の受賞であり、山本投手の「鉄腕」と「精度」**によって、ドジャースの連覇は成し遂げられたのです。
試合後ロバーツ監督が山本に駆け寄り抱きしめ称えます。チームと観客全ての人がこのWSの立役者が山本選手だったというのは疑いようがない事実といえるでしょう。
インタビューでは大谷選手も「ぼくもチームも彼は世界一の投手と思っている」と発言しています。
山本由伸 2025年ワールドシリーズ通算成績
山本投手は、シリーズで3度登板し、その全てで勝利投手となる驚異的な活躍を見せ、文句なしでMVPに輝きました。
| 項目 | 成績 |
| 勝敗 | 3勝0敗 |
| 防御率 | 1.02 |
| 投球回 | 21回1/3 |
| 奪三振 | 18 |
| 被安打 | 10 |
さすがに中0日で夜ブルペンに行くまでは投げられるか不安だったと答えています。前日には「明日プレーする人は大変」と言っていましたがそれがまさか自分になるとは思っていなかったようです。
🚀 第3章:最大3点差を覆したドジャース打線と劇的な幕切れ
ブルージェイズの本拠地で行われた第7戦は、大谷投手が3回に3ランを浴び、0-3とリードを許す苦しい展開から始まりました。しかし、ドジャース打線が誇る執念が、この絶望的な状況を覆します。
- 8回表: 4-2で迎えた場面で、マックス・マンシーが値千金のソロホームランを放ち、4-3と1点差に詰め寄ります。
- 9回表: 2死走者なし。もう後がない場面で、打席には8番のミゲル・ロハス。彼は相手のリリーフ、ジェフ・ホフマンの投球を完璧に捉え、弾丸ライナーの同点ソロホームランを放ち、土壇場で4-4の同点に追いつきます。ロハスのこの一撃は、ドジャースの魂を象徴する起死回生のホームランでした。
延長11回、ウィル・スミスの決勝弾!
試合は延長戦に突入。山本由伸が9回裏のピンチを凌ぎ、緊迫した10回を無失点で切り抜けた後、運命の11回表の攻撃です。
先頭のウィル・スミスが、ブルージェイズのクローザー、チャド・グリーンから、左中間スタンドへ特大のソロホームランを放ちました! 5-4。ついにドジャースが勝ち越しに成功します。
そして迎えた11回裏。山本由伸投手が、先頭打者に二塁打を許しながらも、卓越した技術と精神力で後続を抑え込み、最後の打者をセカンドゴロ併殺に打ち取ってゲームセット。ドジャースは、2年連続、球団史上初のワールドシリーズ連覇という偉業を成し遂げたのです。
🎉 第4章:歓喜のロッカールーム!歴史を刻んだ日本人3人衆の祝宴
劇的な勝利の瞬間、ロジャーズ・センターのマウンドでは、山本由伸投手にチームメイトが殺到し、歓喜の輪ができました。大谷翔平選手もその中心で、満面の笑みを浮かべ、山本投手の偉業を称えます。
ロッカー・ルームでのシャンパンファイトでは、大谷翔平、山本由伸、そしてシーズン途中から加入した佐々木朗希の日本人選手3人が、肩を組み、溢れんばかりの笑顔で祝杯を挙げる姿が、世界中のメディアで大きく報じられました。
デーブ・ロバーツ監督は、山本投手を「GOATだ!」(史上最高)と絶賛し、大谷選手も「最高以外の言葉がない」とコメント。異例の連投で胴上げ投手となった山本投手は、喜びと安堵の表情を見せました。
今回の優勝は、1998年から2000年のヤンキース以来、四半世紀ぶりとなるワールドシリーズ連覇という、ドジャースにとって歴史的な快挙です。
この劇的な第7戦での逆転劇、日本人選手たちの異次元の活躍、そして歓喜のシャンパンファイトは、ドジャースファンだけでなく、世界中の野球ファンの心に永遠に刻まれることでしょう。


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